待つ

小さい頃、少なくとも中2までは、たまに感情が爆発することがあって、それもいい方の爆発で、たまに、月に2回は、ここに行かなくちゃ、この人に会いたい、これがしたい、そんな感情に突き動かされて、ぽっと家を飛び出して出かけることがあった。自分の生活圏内だし、やれることばかりだったから、そこまで派手なものではなくて、具体的にいうと、川の水に触りたい!だとか、委員長になってみたい!だとか、神様にお祈りしなくちゃ!だとか、おじいちゃんに会いに行こう!だとか。パッと光で弾けて、その衝動で私のお尻は動く。世界が大好きになる。心ばかり前に進んで私はそれを追いかける。自分の欲望のみに従って動くことだったのかな。風の気持ちよさ。体が軽い。前へ進むことだけを考える。世界が大好きになる。

それからだんだんと疎くなって、今はもう当分ない。そんなこともあったなと思い出して、あの感覚をもう一度味わいたいと思ったりして、ぼんやり公園に行ってみる。店に入って、レジに行くけど店員さんがいなくて、何も言えないから待っていると、時間が経って店員さんが私に気づく。肉まんを買って食べる。白猫が三匹、ベンチで休んでいる。観光客がたくさん来る。この街で一番大きな空間。全部、目の前を通り過ぎていくだけだった。もうそんな感覚を味わうことなんてムリだろうなと思う。今だって何もやる気が出ずこうしてインターネットをしてみたりする。レポートとレポートと皿洗いとお風呂に入らなくちゃいけない。また1日が終わって、私はカレンダーにバツをつける。春が近づいている。

10秒

握手券1枚を消費して来ました。友達いないのでここで発言しています。アイドルちゃん最高      いま一番の感情は、自分がコミュ障で総じてアイドルちゃんに申し訳なかったということです。列ができてても一人の待ち時間が短いからすぐに自分の番が回って来て、あと三人ぐらいのその1分間でど緊張して考えていた話題など(といっても10秒のみのことですが)がぶっ飛び、ただ握手してニヤニヤするのみになってしまった。最後にはアイドルちゃんに気を遣わせてしまう始末……もうムリだやってらんねえ!穴があったら入りてえ!生まれ変わりてえ〜〜〜〜!こういうところで普段からの不摂生というかコミュ力のなさが祟るんだね…そういえば人と対面で話したのって何日前だっけ?いや、久しぶりの都会で人の多さに圧倒されていただけ…!いや、それでもこれはダメやろ………

 ということで学んだのは、会話に慣れるために仲の良い友達を作り仲の良い友達と来るべきということ。愛を育まなければいけないということ。でなければふやけたせんべいだ。私はふやけたせんべいだった。(「自分に一本芯を通さないとふやけたせんべい?だぞ」っていう話をテレビかラジオかで聞いた)

握手会

明日は初めて自分の心に正直に会いたい人に会ってくる。もっと具体的にいうと、アイドルちゃんの握手会に行くのだ。私は好きなバンドも好きなアイドルもあるがライブに行ったこともなく、もちろんアイドルちゃんと同じ空気を吸ったことはない。それがだ、いきなり握手会だ。何もわからない。

握手会での待ち行列の写真を見て驚いた。自分が思っていたよりも男性ばかりだった。

ここ一週間アイドルちゃんと会うたったの10秒についてばかり考えている。服装は何にすべきか。グッズを持って行くべきか?冷え性の自分の手でアイドルちゃんと握手はダメだからなんとか暖かくしていかなくてはだとか。アイドルちゃんへのプレゼント入れるBOXがあったら(あるのかないのかわからない)入れるための手紙を書かなくてはだとか。はじめになんて話そうか、大好きだと伝えたいけどそれはアイドルにとってはとても平凡な言葉なのでは、そもそも大好きだから会いに来てるわけだし、とか。わからんことばかり。。。

アイドルちゃんは私のいくつも年下なのにずっと大人びてて、メイクも上手になって、大変暖かな人。

祈るように願う

祈るように願う

形から入っても

思いがそれに続きますように

 

祈るように願う

悲しみの海は深くないと

あの人が気づきますように

 

祈るように願う

何度でもやり直せると

あの人が気づきますように

 

祈るように願う

今見えるものに別の面があると

あの人が気づきますように

 

祈るように願う

今悩んでいるその場所から

心だけは飛び出すことができることを

あの人が気づきますように

(銀色夏生)